異例のヒットとされる映画「カメラを止めるな!」が盗作、パクリ疑惑、またクレジット表記の関係で話題になっていますね。
今回この盗作だ!著作権侵害だ!と訴えているのが、カメラを止めるな!の「原案」とされる劇団PEACEの舞台「GHOST IN THE BOX!」の演出を務めた和田亮一さんです。
和田亮一さんはカメラを止めるな!は自身の手がけたGHOST IN THE BOX!と構成も一緒だし、セリフも同じものがあるのに、こちらに映画化の話がきてないから著作権の侵害だと主張されていますが、そもそもこの証言が本当なのか嘘なのか疑惑の声も上がっているようで、今回はそれを調査!
和田亮一さんがカメラを止めるな!をこの全国展開するほどヒットしたタイミングで訴えたのはなぜなのか調べてみたいと思います。
和田亮一の経歴
和田亮一さんは劇団PEACEの代表として劇団を運営、劇団は2011年から2014年の解散まで活動していました。
今回盗作だ!と主張しているのが、劇団PEACEが2011年に公演した「GHOST INTHE BOX!」という舞台とのこと。
このGHOST IN THE BOX!は脚本が荒木駿さん、演出が和田亮一さんとされていますが、和田亮一さんは脚本も担当していたのだとか。
確かに代表であれば脚本まで見ることはありそう。
和田亮一の訴えの証言
このGHOST IN THE BOX!の構成、またセリフまでもカメラを止めるな!が真似ているというのが今回の訴えの一つ。
この訴えが「なんか言ってることおかしくない?」と私が思った点については後述しますが、まずは和田亮一さんの主張を見てみます。
後述しますが、大事なポイント。
和田亮一さんがこのカメラを止めるな!が自身の作品が元となっていると知ったのは後輩から聞いた時だったそうです。
映画の評判は、僕も周囲から聞いていました。そんなとき、過去に僕が主宰していた劇団の後輩から『あれ、先輩の作品が原作ですよ。知らなかったんですか?』と言われて、初めてその映画が、僕の演出した舞台『GHOST IN THE BOX!』(以下『GHOST』)をもとに作られたことを知ったんです」
劇団の後輩からの話で知ったカメラを止めるな。
これを見てみると「完全に自分の作品だ」と思ったそうです。
「構成は完全に自分の作品だと感じました。この映画で特に称賛されているのは、構成の部分。前半で劇中劇を見せて、後半でその舞台裏を見せて回収する、という構成は僕の舞台とまったく一緒。
構成が全く一緒なのかは、見た人しかわかりませんが、上田監督も「GHOST IN THE BOX!」にインスパイアされて(映画化する旨を伝えて)カメラを止めるな!を作ったと言っているので、構成は似ているのでしょう。
実際に舞台を知ってる人は、「あ、あの舞台だ!」と思ったようですし。
構成だけでなく、セリフも同じものがあるということ。
「前半で起こる数々のトラブルをその都度、役者がアドリブで回避していくのもそう。舞台が廃墟で、そこで、かつて人体実験がおこなわれていたという設定も一緒ですし、『カメラは止めない!』というセリフは、僕の舞台にもあるんです」
カメラを止めない!とのセリフがあるのは盗作というか原作であるという感じはしますね。
カメラ止めるな!制作側は「原案」としていますが、そもそも「原案」と「原作」の違いは何なのかというところがなかなか難しいところですね。
ここまでみると、カメラを止めるな!はGHOST IN THE BOX!が「原作」とした方がいいように思えますし、今回訴えを起こした和田亮一さんの主張はもっともかな?とも思ったのですが、ここで少しこの和田さんの証言に疑問が浮かんでいるのです。
和田亮一はツイッターでカメラを止めるなを絶賛してた
和田亮一さんはカメラを止めるなが自分の作品が原作ではないかということを後輩から聞いて知ったとインタビューで答えています。
実際に見てみると「構成は自分の作品と同じ」と感じたと。
ただ和田亮一さんは自身のツイッターで「カメラを止めるな!」を絶賛し、上田慎一郎監督のコメントのやりとりもしているのです。
カメラを止めるな!
めちゃ面白かった。
作り手のみんな、映画が好きなんだなぁと思えた。
あの頃命かけて大好きな仲間と作ってた作品がこんな感じで命を与えられてて、本当にうれしかった。
最高でした。#カメ止め #カメラを止めるな pic.twitter.com/DDL08m7Tzu— ワダリョウイチ (@Rookey_rw) 2018年7月8日
この時点では、自身の作品をもとに映画化されて、観客も大絶賛し、とても嬉しそうな様子。
本当にこれは自分のが原作だ!って思ったならこの鑑賞時点で声をあげてないとおかしい気もします、、、。
カメラを止めるな!
2回目みる
友人も連れてユーロスペースへ。
いいものはシェアしたい。#カメ止め #カメラを止めるな pic.twitter.com/WZNeGrOzXG— ワダリョウイチ (@Rookey_rw) 2018年7月14日
2回目を見に行くほどのハマりっぷり。
この時は「原作として扱われている」と思っていたのかもしれませんね。
東京パンチライナー事件とは?
和田亮一さんへのSNSでのコメントを見ていると、「東京パンチライナー」に関するコメントも見られました。
あるツィート
おいおい和田さん、カメ止め訴えてる暇あったら「TOKYO:PUNCH-LINER」の件をちゃんとしてください。
自分は前払い予約のDVDとCD代持ち逃げしてるんですよ?
関係者の方に伺った話では、連絡もつかないし居場所もわからないということでしたが?それでどうやって許諾取れと?— I❤️歌舞伎町(凄まじき かぶこす (@I09054351) 2018年8月21日
東京パンチライナーでの出来事というのは和田さんが過去に作った作品「TOKYO:PUNCH-LINER」でのCDとDVDの販売代金を受け取ったにも関わらず、購入した人に商品が届かなかったという事件があったそうです。持ち逃げしたのか?という疑惑もあるそう。
・和田氏はツイッターでカメ止めキャストのしゅはま・真魚両氏をフォロー済、カメ止め音楽担当の永井氏は和田氏の劇団に楽曲提供経験あり
・和田氏は自身演出の舞台TOKYO:PUNCH-LINERのDVDとCDの予約代金を持ち逃げした疑惑があり連絡つかず、居場所不明の時期があった#カメラを止めるな— Roy.twi (@roy_twi) 2018年8月21日
この事件の真相はわかりませんが、和田さんの作品ですので和田さんに責任の一端があるのは事実。
今回の盗作疑惑の件で、訴える前に自分のしたことをしっかり片付けろ!というのが東京パンチライナーの購入者の声のようです。
結局問題はなに?
結局のところ和田さんは盗作だ!パクリだ!と叫んだのではなく、「原案」とクレジット表記されていることに不満を抱いたのだと思います。
最初に映画を見た時は、自分の作品が「原作」となって映画化したんだ!やった!という気持ちで見ていたのかなと。
だから最初は上田監督にもカメラを止めるな!が最高だった旨を伝えていたのだと。
そのうち「原作」でなく「原案」というクレジット表記に疑問を持ち、原作でないなら盗作、パクリに等しいぞ!というのを週刊誌FLASHが大きく「盗作疑惑」として取り上げたのではないか、というのが今回の件に関しての私の考えです。
実際に和田亮一さんは今回の件に関してブログ(性格にはnoteというサービス)に綴っています。
ツイッターでもFBでも、「みんな見てね!」と思わずシェアしてました。
映画も素直に面白かった。でも実際に見てみるとクレジットにはPEACEの名前、GHOSTの名前はありませんでした。
しかも監督はインタビューに「ある劇団のある芝居に影響を受けて」と答えていて、世間では「オリジナルストーリー」として評価されていた。
劇団名、作品名を出さないのはプロデューサーの意向ということでした。
解散してるからしょうがないとは思ったが、どうしてもそれが納得できず、監督に連絡を取りました。ちゃんと原作として
劇団PEACE「GHOST IN THE BOX!」(作:A 演出:和田亮一)
といれてください。
とお願いしました。
作品を作るクリエイターとして、また劇団員の気持ちも考えると、構成やセリフが一緒であるのに「オリジナルストーリー」と世間で騒がれるのが嬉しくないのはわかります。
原作と入れて欲しい、それだけ魂込めた作品がGHOST IN THE BOX!だったのだと思います。
上田監督もツイッターで言っていましたが、今回の件に関して、本当に穏便に終わって欲しいなと思います。
『カメラを止めるな!』は劇団PEACEの舞台「GHOST IN THE BOX!」から着想を得たものです。ただ僕としてはその後自らが脚本・監督・編集して作ったオリジナル作品だと思っています。和田さんや劇団の方の主張にもしっかり耳を傾け、お互い円満な解決が出来ればと思っています。よろしくお願いします!
— 上田慎一郎 (@shin0407) 2018年8月21日
見ている人は純粋に楽しんでいるのですからね!
両方の作品を見た人は「もう一度GHOSTの舞台見たくなった!」というツイートもありました。
どちらの作品もいい作品として観客は受け止めいるので、和田さんの言い分、製作サイドの言い分も踏まえ双方納得の形に、いい方向に進んで「より話題性のある映画」としてカメラを止めるな!が異例のヒットを続けたらいいなと思いました。